香港ハッピーバレーにある「帝京幼稚園」は、日本語での保育を基本に、運動会や七夕などの行事と外遊びを通じて、「自立性」と「情緒教育」を大切にした教育を行っています。
日本語での日本式教育を香港で守り続けて
帝京幼稚園は1992年、香港ハッピーバレーに開園しました。開園当初から一貫して、日本語で行う日本式の保育を提供しています。園長の渡辺克彦さんは、「日本語での教育を提供します。入園されるお子さんには、国籍を問わず日本の保育をします」と語り、「園内ではもう完全に日本語でというのがポリシーです」と強調します。英語や体操の時間はありますが、あくまで授業の一部であり、日本語教育を軸に据えています。



定員は年少・年中・年長各2クラス、計6クラスで約120名。現在は1学年1クラスで運営していますが、「人間形成の基礎をつくるのが幼稚園」という考えのもと、少人数でもきめ細かな保育を続けています。1~2歳児向けの「わんぱくクラス」や、現地校・インター児向けの土曜日本語クラスも開講し、香港に暮らす多様な家庭のニーズに応えています。

日本式のきめ細やかさで心と生活を整える「こだわり」

文化も行事も「日本式」で
運動会や生活発表会、七夕、夏祭り、お餅つき、中秋節の団子作りなど、日本ならではの行事を一年を通して行い、「日本のお歌も覚えられる」機会を大切にしています。
自分のことは自分でできる子に
クレヨン1本まで名前を書き、子ども自身が整理整頓と物品管理を行います。保護者からは「卒園後、学校で整理整頓ができるので先生から褒められた」という声も寄せられているとか。


自然に触れ、遊びながら学ぶ
香港の幼稚園は早期教育やお勉強重視が主流ですが、帝京幼稚園では遊びを通して思いやりや自律性を学ぶスタイルです。園バスで公園や海に出かけ、砂遊びや水遊びも積極的に行います。
香港で日本式幼児教育を続ける意味
園長の渡辺さんに続き、事務課長 森磨美さんは「人間形成の基礎を作るのが幼稚園。他者とのコミュニケーションや思いやりを3年間で学びます。これが日本式の幼児教育の利点だと思っています」と話します。
近年、香港では日本人家庭でも「幼少期はインターナショナルの園で英語に馴染んでもらい、日本語は後から学ばせる」というケースが増えています。そのなかで、「なじめず戻ってくる子もいます。言語がわからない環境は子どもに負担になることも」と、人格形成のためにも、幼少期には安心して過ごせる環境が重要だ、とも語ってくれました。帝京幼稚園は、そうした日本人家庭の子どもたちにとって「ほっとできる日本語環境」としての役割も担っているといいます。



今後も、わんぱくクラスや土曜日本語クラスを通じて、日本にルーツを持つ家庭だけでなく、日本語や日本文化に関心のある多国籍家庭にも門戸を開きつつ、「日本語で日本の保育をする」姿勢を変えずに、香港の教育環境の一つの選択肢として存在し続けていく考えです。
まとめ
- 1992年開園、日本語で日本式教育を実践
- 園内は日本語のみ、日本文化行事も充実
- クレヨン1本に名前、自立と整理整頓徹底
- 外遊びや遊び中心で情緒と社会性を育成
- インターから戻る子の「安心の場」にも
- 多国籍家庭にも開かれた日本語教育拠点


